○ 相手に特別感をもたせると好感度アップ。
人間には、他の集団から抜きでて見られたい、一目置かれたいという欲求がある。心理学ではこれを「社会的承認欲求」とよぶ。
そして同時に、自己の価値を認めてくれる人間に特別な好意を抱くことがわかっており、これを「特定化の心理効果」という。
数々の「恋愛心理学」本では、特にこの特定化の心理効果が有効とされており、「お誘い」のような恋愛の初期以前の段階からでも積極的に導入していくべきである。
さて、本件のようにメールで食事に誘う場合、どのように特定化の心理効果を出すか。
例文では以下の点をフォローしている。
・相手の名前を頻繁に呼ぶ。
メールや電話は、相対のコミュニケーションツールであるため、話しかけている相手が自明であり、ついつい相手の名前を呼ぶことが不足してしまう。しかし、いくら「わかってるよ」と思っても、名前を呼びかけられる行為は対象人物の深層心理に明確に働きかけ、「あなただけに言っています」という特定化の心理効果が働くのである。上記文例では、送っている相手が明確なメールであるにもかかわらず、相手の名前を合計4回にわたって呼んでいる。このことで、メールを受け取った相手は、「他の誰でもない、自分だけを特別視してくれているんだ」という気持ちになるのである。
・~と行きたい。と限定感を出す。
「食事に行きませんか」で全ての意味は通じるが、そこへ更に「良いお店なんだけど、あなた以外と行くつもりはありません。あなたとだから、行くのです」というニュアンスを含ませたほうが、相手はお誘いを特別なものとして感じやすくなる。従って、単に食事が行きたい旨を伝えるのではなく、「~~と、一緒に行きたい」と限定話法を用いるべきである。ポイントは「~と」である。これを用いるだけでも、相手の態度は随分違ってくるはずである。
・誘ったことに理由をつける。
例文では、「お店の評判を今日聞いた」と言っているが、ここでも特定化の心理効果を狙っている。すなわち、「この前聞いたんです」で「だから今度行きましょう」だと、「今」誘ったことについて特別感がない。「(いつでもいいものを)たまたま暇だったから誘われたのかな」と思われてしまう。そこで、たとえ「このお店がうまい」という情報をずっと過去に聞いたとしても、「今日聞いたから今日誘った」と言ってしまう。そうすると、「何を差し置いても、すぐに、自分のことを考えてくれたんだ」と、相手に思ってもらえる。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。