2013年2月12日火曜日

心理学的に正しい待ち合わせ時間(自己知覚理論)




○ 先に到着するのが正しいとは限らない(自己知覚理論)


 ところで、待合せ場所に現れるタイミングであるが、心理学的には相手が少し先に到着するようにしたほうが良い。

デートの指南書などでは、まず鉄則として「デートには絶対に遅れるな」とされているが、それは礼儀作法の話に限って考えた場合である。恋愛は礼儀正しいだけでは勝てないぞ。

また、この場合の「遅れ」というのも、定刻から10分も20分も後になってから現れる状況であり、1分~3分以内であれば、人はそれを「タイミングの違い」として認識し、遅れとして考えない(電車の発着時刻やビジネスでの話はまた別であるが)。

そして、デートにおいては、その「タイミングの違い」として許される範疇であれば、後から到着したほうが優位に立てるのである。

おかしな話だが、心理学の世界では時間にルーズなほうが主導権を握れるのである。


○ 待つから楽しみが増える。


「待つ」というのは、「期待」「待望」のように、自分の意思や願望とセットのものである。
早い話が、「待つ」というのは「今より後に起こる方が必ず自分を幸せにする」という希望的観測があるから起きる行動なのである。

そこで、自分から誘った相手を敢えて待たせてみるのである。
誘われた側は、待合せ場所に行けば当然相手が待っていると想定しているだろう。ところが指定された場所に行っても誰もいない。

「自分は誘われた側なのに、どうして待っているんだろう」と不思議に思うことだろう。
その「不思議」こそ、本稿で度々紹介している「認知的不協和」であるが、人間の心理はこれを何とかして解消しようと動きだす。

そこに「待つ」という、上記したように「これからの楽しみのための行為」が手助けすると、デートに誘われた一方で待たされてることが、「自分はこれからのデートが楽しみだから待っているんだ」と解釈されるのである。

上記の超絶解釈は、心理学的には自己自覚理論ともいう。人間は感情から行動を起こすのではなく、行動を起こした後に感情が想起されるということがわかっている。
・自分が待つのはどんな時か?
→人気の美味しいお店に並ぶ時
→ディズニーランドのアトラクションに乗りたい時
→大好きな歌手のコンサートホールに入る時
待つことはこれから楽しいことが起こるから。そういう記憶があるから、人は待たされることで期待が膨らんでいく。

数分待った後の相手は、全く待たされなかった場合に比べ、より嬉しそうな表情であなたを迎えることだろう。

ただし、遅れてくる時間は遅くて3分以内である。それ以上は「遅刻」になるので注意するべき。



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