ここからは、首尾よく女性を食事に誘えたあなたが、実際に女性とご飯を食べる場面を想定し、心理学的に正しい食事のありかたを紹介していく。
まずは、お店の準備や心構えなど、下準備の更に下準備と言えるような事柄を記述する。
○女性はとにかくご馳走されたい。
まず、「女性に食事をご馳走する」ことの重要性についてお伝えしたい。
常識的に、自分から一生懸命誘っておいて、食事の代金を割り勘で済ませる男性というのは考えづらいが、念の為に以下のとおり「女性には食事をご馳走しろ」という話をする。
我々の体には、人類が狩猟採集民族だった時代のDNAが残っており、生存本能にも深く結びついている。
女性は自ら獣を狩る能力がなかったため、食べ物はいつでも男性によって供給された。
裏を返せば、質の良い食べ物を、安定的に与え続けた男が最もモテたわけで、それは現在の女性の本能にも強く刻み込まれている。
さて、あなたは女性と食事の約束をした。
この時点で、相手の女性はあなたのことを「おいしい食べ物を与えてくれる男」という目で見ていると思ってよい。一緒にご飯を食べるというよりも「与えてくれる」存在、つまり奢ってくれるのではないかという気持ちが、おそらく男性が考えている数倍持っている。
これを、「さもしい」「いやしい」などと言って蔑むのは見当違いである。
前述したように、我々のDNAは基本的に人類創世の頃から変わっていないため、女性が食べ物を与えられる存在であると思うのは仕方ないことだ。
金額や両者の関係にかかわらず、女性は男性に奢られたい生き物なので、その前提を抑えなければ「なんかケチくさい奴だったな」と思われて全てが台無しになる。
どうせ、付き合うためには女性が喜ぶようなモノを買ってあげたりするんだろうから、食事を奢ることもプレゼントのひとつだと思って最初から「あげる」モノと思ったほうが気が楽である。
従って、本稿においては「男性が女性を奢る」ことは、当然の前提という形で論じることとする。
もし、あなたが「まだ友達だし、付き合ってもいないのだから、代金は割り勘が相当だろう」と思うのであれば、その感情は正当な恋愛感情でないから、恋そのものをやめるべきである。「相手がこれだけのことをした、だから自分もこれだけのことをする」というのは「社会的交換理論」といい、早い話が「ギブ・アンド・テイク」の関係である。
本能に働きかけるエネルギーが恋愛であり、そこに「ギブ・アンド・テイク」が登場する余地はない。
また、余談ではあるが、破局寸前のカップルでよく見られる「仕事とわたし、どっちが大切なの」「私がこんなに好きなのに、どうして連絡してくれないの」という問答は、まさに「自分が尽くしているのだから、その分私も構ってほしい」という社会的交換理論であり、恋愛として見た時に、むしろ「冷めた」考えである。対価を求めず、無償で差し出せなければ、それはもう恋愛ではないのでないと筆者は思う(多分に経済性が絡む夫婦生活となるとまた別であるが、逆に言えば夫婦生活の基本は社会的交換であるから「結婚した途端に冷める」のである)。
○ メニューを調べておく。
奢ろうとするならば、当然のことだが、いざ会計時に現金が不足するような状況は避けたい。
飲食店ではクレジットカード決済が出来ない場所も多いため、女性を奢るつもりが金が足りず、やっぱり女性に払わせてしまう、あるいは近くのコンビニで出金をしてくるようなことがあれば、その場で恋愛は終結したものと思ってよい。
気をつけていても、いきなりお店にいって、「パスタ一皿2,500円」などという高級店であった場合に、「やばい!」となってしまう可能性も考えられるため、事前に価格帯を調べておく必要があるだろう。
○ 何がなんでも道には迷わない。
金銭的な準備の他に、「お店の場所」もしっかり調べておいて、当日は全く道に迷うこと無く到着出来るようにしなければならない。
前述したとおり、女性が本能的に男性に求めていることは、質の良い食べ物の安定供給である。男性が既に狩った獣を、ノーリスクで食べられるのが、女性にとって最大の幸せなのである。
そこへいくと、まず金銭的に不足しているのは論外であるが、あちこち迷って、中々食料にありつけない状況というのも良くない。
それはさながら、「俺が獲物を狩ってきてやるからな!」と言いつつ、狩りが下手なために中々獲物を捕まえられない、頼りない男性を想起させる。そして、もともと、女性には方向を察知する感覚が男性に比べて弱いため、「道案内」という点にといて男性に依存する心理が強い。
そこで頼りの男性が道に迷っているようでは、今後の全ての困難において、自分を守ってくれない人間であるとのフィルタリングがされてしまう。単に道に迷うだけのことが大幅な減点材料になるのである。
道順は必ず調査したうえ、さらに当日の天候を考え、なるべく雨や風に晒されない道を選択しておくべきだろう。